「わたしのこと好き?」
「好きだよ」
「どのくらい?」
「どのくらい……?」
どのくらい好きか、どうやって伝えたらいいんだろう。
会いたいって言われたらなにがなんでも会いに行く?お願いされたらどんなことでも叶えてあげる?
好きって気持ちは目には見えないものだから、伝えにくい。そのうえ伝えたつもりが伝わっていなかったり、理解したつもりが理解できていなかったりもする。
正直、メンドーです。
それでも必死に伝えようとする。
好きだから。
伝わるって、信じて。
☆
「こんな”好き”もあるんだよ」って教えてくれる、切ない映画がある。
『世界一キライなあなたに』
☆
ヒロインのルーは、とにかく真っ直ぐでピュア!
感情がすぐ顔に出る。思ったことは曲げない。子供っぽくて、友達だったらちょっとウザい。だけど一生懸命だから憎めない……。こういうピュアさに救われること、あるよね。心底落ち込んでるときとか、きっと。事故で車椅子生活となってしまった、ウィルがそうだったように。
ウィルは元々かなりのリア充!お金もあるし、イケメンだし、なんでもできた。だけどある日突然、事故で首から下が動かなくなってしまう。当時付き合っていた恋人とも別れ、親友も離れていき、さらには元カノと親友が結婚するというセンチメンタルにまで襲われてしまう。
どんどん卑屈になっていくウィル。そんなとき支えてくれたのが、介護のアルバイトでやってきたルーだった。元カノと親友の結婚式会場で「みんなにネタを提供してあげましょうよ」と、車椅子のウィルとダンスを踊るシーンには心を打たれた。介護なしではご飯を食べることもできず、外での食事さえ拒んでいたウィルが人前でダンスまで披露してしまった。”障害者”としてではなく、”ひとりの男”として見てくれたルー。暗闇だった世界に光が見えた。そしてルーが、暗闇から引きずりだしてくれた。
大丈夫、やっていける。障害だって乗り越えられる、わたしたちふたりなら。
ルー、そして映画をみていた僕もそう思った。だけど、この恋は一筋縄ではいかない。
結末には賛否両論があると思う。だけどそれがいい。幸せって、そういうものでしょう?
ウィルがルーに、
果敢に生きろ。
と伝えるシーン。幸せってなんだろう、とものすごく考えさせられた。
こんな “好き” のかたち、切なすぎるけどね……。
でもきっとそれは、お互いに伝わっていた。
ハジメ☆ファンタジー